まあ、30年前当時はライブに行けば、お兄さんたちの半分以上がバンドマンで長髪だったので憧れもあったんですが。
実家にいたのですが、一応「切れ」とは言われたけど、父方が頭皮が砂漠化する家系だったのです。
しかも父親の記憶は砂漠化した頭。一応髪のある時の写真はあったのですが、母親に訊いても頭髪のあった記憶がないと。
これは20代の私のとっては「最も怖れること」の一つです。
ある日、頭を洗ってたら抗がん剤の副作用のように、バラバラと抜け落ちるんじゃないかと。
母親もわかってたのか、父親ほどうるさく髪を短くしろとは言いませんでした。
長髪だとバイトがないといわれてましたが、入社してから伸ばしたし、仕事中は後ろをしばって見た目が悪くならないようにしてたので、レジとか普通に任されていました。お客が近所の人なので「髪の長いお兄さん」と呼ばれて苦情はありませんでした。
都内で一人暮らしをするようになった頃には、腰くらいの長さになってました。
癖っ毛なのでゴワゴワになって、枝毛もすごいので暇な時女の子みたいに枝毛切りをしたりして。
リンスやトリートメントのベタつきがいやで,くしが通るくらいしかヘアケアはしてませんでした。
そのころから面白い現象が。
銭湯とかにいくと、「女の子はそっちじゃないよ」とひんぱんに。
温泉に行けば、男子の脱衣所に行こうとすると止められたり、出てくる人がびっくりしてたり。
別に女の子の格好をしてるわけじゃないのに。
面白かったけど、むしろ、革ジャン着ててどうみても男なのに「なんなんだよ」。
長髪を辞めるまで続きましたね。
なんでだったんだろ。親がいうには顔つきがキツクないのと、女の人が男に間違えられるよりましだからでしょうと。
どうせなら当時の「変身」した写真をネタとして持ってたかったとこですが、30年前の「女装」なんてアンダーな趣味。
ちゃんとメイクや撮影できるとこがなかったので、旅行の時のが数枚発見されただけ(メチャダサい)
今だと男の娘なんていって、メイクや衣装も揃ってるフォトスタジオが普通にネットに載ってるから時代が変わりましたね。
スマホアプリに変身できるものがあったので、今の写真に女性用のフィルターをかけてみたら「こんなだったっけ」という写真が。
でも「男の娘」になるためにはメイクと衣裳をちゃんとしないと、今の若い子みたいにかわいくなれないです。